マイコプラズマによる肺炎は肺炎菌によるものに比べて症状が軽く、熱に弱いという特徴があるため感染した時の発熱でいずれ死滅します。
そのため、若い人や体力のある人が感染した場合は解熱剤などを処方せず、高熱のまま1週間程度様子をみます。
咳がつらいときは親指を片手ずつ握ってあたためたり、部屋の換気をこまめに行うようにします。
咳が強い場合は鎮咳薬や去痰薬を用いた対症療法をほどこし、発熱などで脱水症状がみられる場合は水分補給を行います。
マイコプラズマは細胞とは異なり、細胞壁をもたないため一般的な細菌感染に対して処方される薬は効きません。
多くの場合は軽症ですみますが、高熱で脱水症状を起こしたり眠れないくらいの激しい咳を伴っているような場合は入院する必要があります。
その他の場合はマクロライド系、テトラサイクリン系、ニューキノロン系の抗菌薬を内服し、症状が重い場合はミノマイシンやダラシンなどを点滴で投与します。
マイコプラズマ肺炎は予後良好の疾患で、治療を行えば2週間ほどで呼吸器症状は改善し、胸部X線上の所見は4週間ほどで改善します。
体力のある人の場合は自然治癒することもあります。
症状が治まった後もマイコプラズマは1ヶ月ほど体内にとどまります。
マイコプラズマ肺炎は飛まつ感染するので、流行している時期には人ごみを避け、外から帰ったら手洗い・うがいをするようにしましょう。
感染した疑いがあるときは早い段階でエリスロマイシンなどの抗菌薬を服用すると肺への感染が抑えられます。